TOA17(ベルリン)に行ってきました

ベルリンで開催されたTOA、Tech Open Air に参加してきました。今年で6回目ながら、なかなか行く機会に恵まれず、今回が初めての参加。

ベルリンの郊外の会場で、7/12,13の2日間にわたって、会場内の7か所ほどの講演会場でそれぞれ10分~20分程度トークセッションが朝から夕方まで続いていくというスタイルのメインイベント。展示的なものもありますが、非常に限られていますし、スタートアップ向けのプログラムの説明・相談会的なブースもあり、写真に撮ればわかる、といったものは非常に少ない印象。これに加えて、ベルリン市内の各地で、メインイベントの時間帯を避けた7/11~14の期間に開催されるサテライトイベントがあります。この2つで構成されるのがTOAの全体像。サテライトイベントは原則無料ですが、メインイベントは購入時期や参加内容によって異なるものの、最低でも3万円程度のチケットを購入しなければ聞くことが出来ません。まぁ、欧州の主要なコンベンションであれば、特に驚くような値段ではありませんが、日本の展示会等の価格の相場からすると、高いと感じるかもしれません。

写真にとればわかるという展示イベントではなく、延々と続くトークがメインディッシュ。メインイベントのセッションはすべて英語でした(サテライトイベントによってはドイツ語で実施されているものもありましたが)。この場で有名企業の特別な発表があるわけでもなく、トークセッションの会場が大小7つほどあるうえ、開始終了の時間がそろっているわけではない、という状況ですので、自分が選んだセッションを聴くだけでTOAの全体をつかんだ、とはなりません。また、小さな会場だと人があふれて入れない、ということも実際に何度か経験しました。その意味で、誰一人として同じTOA体験はない、ということだし、ネットで取り上げにくいイベントだろうなぁ、と。ことTOAに関しては「参加しなくてもネットを見れば書いてある」という状況とは言い難いです。

 

実際、TOAはなかなかニュースになりません。日本語でヒットするのは、下記の記事くらいでしょうか。これをTOAの記事というのかどうか、という内容ではありますが、写真付きで軽く読み流せるもの、となると、こうするしかないのだろな、と。

 

味覚で楽しむ「Tech Open Air」:青空のもとで味わったトラックフード7選

https://wired.jp/2017/07/15/tech-open-air-food/

 

東京でTOAを、という動きもあるようですが、ベルリンのTOAのスタイルのまま持ってきても、話題性の点ではなかなか難しいのかも、と感じたところです。

 

ある人に言わせれば、TOAは参加者が増え、スピーカーと直接講演後にコンタクトをとるといったこともやりにくくなったいま、TOAに参加するよりも、登壇者が他所で行ったスピーチをYoutubeででも探して観れば十分ではないか、と。

それも一理ありますが、私にとっては、普段なかなかまとめて情報がとりにくい欧州のスタートアップ関連動向に関する情報のシャワーを密度濃く浴びるいい機会だったし、自分のお得意様や自分自身にとってどのセッションが有益そうかを考えて参加セッションを選び、メモを取りながら聴いて、あとからメモを見直したり講演内容を思い出したりしながら、TOAの講演に限らない複数の断片的な情報を編みつつ、今後の「柱となる流れ」を見出していく、というのは、ちょっとしたゲームの要素もあり楽しめるものでした。また、しばらく欧州事情から遠ざかっていた自分にとっては、よい「リハビリ」にもなったように思います。

せっかくお金と時間を使って参加してきたものですので、自分なりに見出した「柱となる流れ」の分析結果と活かし方については、弊社の各お客様ごとにカスタマイズしながら順次リポートさせていただきます。(リポート後に少し時間を置いて、有料リポートとして一部公開するかもしれませんが、そこはまだ未定です。)

数社の日本企業の人たちと会場で会いましたが、このようなイベントに参加できるよう、参加者の方々が上司を説得された労力・テクニック、あるいは部下を送り出した上司の方々の度量といったものに、改めて敬意を感じたところです。

もし、日本企業の方で来年のTOAへの参加を考えられているなら、今年のスタイルの実施である場合は、英語を聞き取れる社員さん複数名での参加がおすすめかと思います。手分けして異なるセッションに参加し、事後にその情報を集約して「流れ」を見出せるなら、それは次の動きを占う手掛かりになるはず、と思っています。

ともあれ、夜も21時くらいまで明るいこの時期のベルリンで、終了後に、その日に自分が参加したセッションのことや感じたことなどをツマミに(もちろん、ソーセージも)同僚や会場で知り合った人などとビールなど飲むのは、非常に贅沢な時間になるのではないか、と思いました。

年下の人たちとのおつきあい

出向していた時からそうなのですが、気が付けば、その場で一番年をとっているのが自分、という環境の中で過ごすことが当たり前になって、もう6年くらい経ちます。

それは、決して自分がその組織のトップである(だった)ということではなく、職場であれば役職として自分より上位の人が年下であったり、お取引先の方が皆さん若い方だったり、あるいはバラバラな組織に所属している人々の個人的な集まりであったり、状況は様々ですが、単に生まれたのは自分が一番早い、あるいは、そうでありそうだなということがとても多く、会社を辞めてからも、それが普通な日々の生活。

なので、たまたま、自分と同じか年上の方の方が多い場に行った時にとても不思議な感じがして、また、そう感じている自分に驚いたりします。

人生90年100年が当たり前になると言われているこれからの時代、もちろん、自分の年上の方々も長生きされていくわけですが、長くなる人生の中で、自分より年齢が若い人たちとのつながりが薄いと、それはそれで味気ない人生の終盤になりそうな気がします。

もちろん、同年代ならではの親近感とか、年上の先輩たちに囲まれることの安心感といったものは、これからも大切であり続けるものです。そこに、年下の人たちと一緒にいることの楽しさといったものが加わるなら、なおさら良いことではないかな、と。

もちろん、そのためには、先輩風吹かせたり、小言ばかり言う年寄りであったり、という、最近でいうところの「マウンティング」をするのではもちろんダメで、年齢が違っても共通して話せる話題とか、一緒に楽しめるアクティビティとか、そういうものが重要になるよなぁ、と。

実は、普段一緒にいる若い人たちには陰でウザがられているのかもしれませんが(だとしたらすみません 苦笑)、少なくても自分が受ける感じとしては、それなりに(?)自然に受け入れてもらっているような気がしていて、そうであるなら、とてもありがたいことだなと思っています。

Whole foodsを買うAmazon、Boston Dynamicsを売るGoogle(Alphabet)

ここ数週間の2つの企業売買について思ったこと。

Amazon は、やはりIT企業ではなく物流企業であり、「リアル」に軸足がある。

他方、Googleを筆頭に、米西海岸のIT系企業はロボットないしIoTという「リアル」からは離れていくのかな、と。

いくら孫さんないしソフトバンクが偉大な企業であったとしても、事業戦略上必要な企業を売ることは考えられない。

日本をはじめ、台湾やドイツ、ないしは中国という国にとってのチャンスが巡ってくる、のかもしれない。

その読みが正しいのだとしたら、孫さんの動きはさすが、ということになるのかもしれない。